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「写真」「音楽」「ファッション」様々なジャンルを包括する渋谷の吸引性 HELLO neo SHIBUYAトーク vol.2 「neo SHIBUYAの魅力とは?」@渋谷スクランブルスクエア レポート

11月10日、開業したばかりの渋谷スクランブルスクエアにて、HELLO neo SHIBUYAトーク「neo SHIBUYAの魅力とは?」を開催しました。 今回は、「写真」「音楽」「ファッション」といった様々な視点からneo SHIBUYAの魅力に迫るため、写真家の半田也寸志氏、音楽家の大沢伸一氏、モデルの鈴木えみ氏、そしてMCとしてアナウンサーの中井亜希氏が登壇。 渋谷のまちを見渡せる会場で、半田氏が撮影した「neo SHIBUYA」の写真をバックに、登壇者それぞれの作品や体験を通じて感じた「渋谷の魅力や思い出」、「駅周辺を中心に再開発が進む渋谷の印象」そして「これからの渋谷に期待すること」などが語られました。

イベント概要
 
開催日時:
2019年11月10日(日)16:00~17:00
 
開催場所:
渋谷スクランブルスクエア12階 イベントスペース「Scene12」
 
登壇者:
半田也寸志氏(写真家)
大沢伸一氏(音楽家、DJ、プロデューサー)
鈴木えみ氏(モデル、デザイナー)
 
MC:
中井亜希氏(フリーアナウンサー)
 
 


 
 


渋谷スクランブルスクエアの第一印象について

 
各登壇者が実際に渋谷スクランブルスクエアを見て回った印象を語りました。
半田氏は、日本初出店や新業態テナントを引き合いに出しながら、「『世界最旬宣言』に違わず、アンテナショップというか実験場のような店舗が多い。」と、撮影のために渋谷の様々な施設に何度も足を運んだなかで感じた違いを述べました。
大沢氏と鈴木氏は、展望施設「SHIBUYA SKY」について言及。大沢氏は、「想像以上の絶景」でありつつも、くつろぐことのできる空間となっていることに着目し、「新しくすごいスポットができた。」と感動を表し、また、鈴木氏は、人工芝やハンモックなどが設置されている屋上展望空間ならではの過ごし方に触れながら、「本当に気持ちのいい空間、友人からも勧められていた施設で、開放感がすごく、来れてよかった。」と感想を語りました。
また、半田氏からは「隈研吾さんの建築で、国立競技場とつなげて見たりした。」と観点を語ったうえで、「建物に特殊なフィルターが貼ってあって、空の色によってビルの色がどんどん変わっていく、屋上に自然な木をいっぱい使い隈研吾さんらしい作品」と話されました。
 
 


半田氏の写真を通して見た「渋谷のまち」の魅力について

 
続いて、会場に展示している写真のテーマについて写真家半田氏が解説。
撮影に入る際に、文化や人、情報が常に入り混じっている多種多様なまち・渋谷をどう表現するか苦悩したことを明かしました。「じゃあ、何をもっていってやるかと思ってまちを歩いていた時、そこらじゅうで今再開発のビルを建てているわけですけど、夕方に、クレーンがキリンに見えたんです。建設業界では、クレーンのことをキリンというらしいですけど…」と発想の根源を語り、アフリカに行った際に出会ったキリンの集団行動と渋谷のビル群との連想、中国古典における麒麟が、「王様が代わったとき、何かすごい事件、それもいい方向に行く事件のときに現れるという伝説の動物であること、つまり、欧州のユニコーンと同意ということから、ジェネレーションチェンジを意味しているのではないか」と考えたこと、秀でた才能を持った人を『麒麟児』と例えることを挙げながら、「『キリンのような街』と呼ぼうと決めた。」と、ご自身の考える渋谷感を披露。
そのような半田氏の写真を見て大沢氏は、「懐かしい風景で、上京した頃、渋谷を拠点に音楽活動をやっていた」と当時を回想しながら「ジェネレーションがチェンジして、新しい価値観が生まれるんだなと思う。」と感慨深く述べました。
鈴木氏は半田氏の撮影した外国の方のポートレートを見て、「渋谷へ旅行に来た海外の友人がスクランブル交差点を見て、自分が渋谷に住むべきと感じて引っ越してきた。」という自身の周りで起こった驚きの出来事から、「いろいろなエネルギーが混じるまちで、そこに惹かれて、いろいろな方が呼び寄せられて集まるところ。」と語りました。
 
 


渋谷のイメージは・・・「受け入れる懐の深さと多様性でしょうね。」

 
その後、各登壇者が持つ渋谷のイメージへと話が移りました。
鈴木氏は、SHIBUYA109店舗での取材などを思い出しながら「10代後半のころは109全盛期の時代。ギャルブーム、ヤマンバからコギャルに変わり、きれいめお姉ギャルの変遷などを思い出して、濃かったなという感じ。」とファッションを通じて感じた渋谷の流行の牽引力や発信力を語りました。
大沢氏は、「やっぱり受け入れる懐の深さと多様性でしょうね。ファッションで言うと誰にも文句を言われない唯一の場所みたいなイメージがある。」重ねて、「六本木とか銀座へ行けば、それなりのトーン、マナーみたいなものがあるけれど、渋谷はとんでもないアレンジのファッションでも受け入れてもらえる。それは多様性と言うしかないのだと思います。」と渋谷の特色を懐の深さと多様性の受容との考えを展開してくれました。
半田氏はその懐の深さを独自の視点で切り取り「全部飲み込んで勝手に活動していく生き物のようなところがある。」と写真家ならではの例えで補足。展示会での来場者の方とのやり取りに触れながら、「渋谷はディテールの中に味がある。」とし、また、そのまち並みの中に人々が存在して「1個1個がみんな生きている、それこそが、これが新しい景観なのか。」と変貌するまちへの慈しみを述べてくれました。
 
 


neo SHIBUYAへのメッセージ

 
最後に、登壇者皆さんの渋谷へのメッセージをボードにしたため、その思いを発表。
鈴木氏は、渋谷で情報収集をしていた10代の頃を振り返りながら、「『青春のまち』 neo SHIBUYA」と表現。
大沢氏は、「国の内外、例えば東京と地方、それから新旧、そういうものが共存しているまち。」として、「『共存する』 neo SHIBUYA」と記載。
半田氏は、「CULTURE、STRUCTURE、CARICATURE、NEW NATURE」と表現し、「STRUCTUREは建物、CARICATUREは批判、皮肉、風刺など、NEW NATUREは先に論じた新しい景観、これが新しい自然なのだろう。緑、海というのではなく、まち自体がひとつの自然になってしまっているような意味」と解説しました。
MCの中井氏は「『完成がとても待ち遠しい』 neo SHIBUYA」と、「2020年のオリンピックパラリンピック、
さらにその先を見据えて世界に発信するまち渋谷を、これからもご期待いただきたいと思います。」と結びの言葉でトークイベントを締めくくった。